MITSUYA NOTE

研修のことや勉強のことを載せます。

嘔気・嘔吐時指示

研修医2年目、みつやです。

 

研修医1年目が下につき、一つ一つ指導できることはしていこうとしておりますが、中々自信をもって教えるということは難しいですね。

~~先生が言っていた、といいつつ教えることもありますが、本当に正しいのか?再度吟味するとても良い機会になっていると思います。

 

さて、今回は嘔吐・嘔気時の指示についてです。

今週中にMy指示簿は一通り記載したいと思います。

 

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@嘔気・嘔吐時指示
①内服困難例→★テルペラン(★メトクロプラミド)1A(10mg) iv(6時間空けて)
 内服可能例→★メトクロプラミド 5mg p.o.
 ※必ず腸閉塞は否定すること
 
§嘔気 §嘔吐のアセスメント
 とりあえず制吐薬を使おうというのはNG!まずはアセスメントをすること。
 
@鑑別は「NAVSEA」で
N:Neuro・・・中枢神経刺激、障害や頭蓋内圧亢進、脳循環障害
A:Abdominal・・・・消化管腹膜系(胃内容物うっ滞、消化管伸展、漿膜伸展)
V:Vestibular・・・前庭神経障害(突発性難聴、BPPV、前庭神経炎、メニエール病
S:Sympathetic、Somatopsychiatric・・・交感神経、副交感神経の異常(ACS緑内障心身症、神経性食思不振症)
E:Electrolyte,Endocrinologic・・・電解質、内分泌(高Ca血症、低Na血症、副甲状腺機能異常、甲状腺機能亢進症、Addison病、妊娠、ケトアシドーシス
A:Addiction・・・薬物中毒(オピオイドジギタリス、テオフィリン、リチウム、アルコール)、化学療法
 
上記鑑別し、原因を除去できない場合に制吐剤投与を検討する。
 
Q.嘔気時に使える薬はなにがあるか。
A.一般的な対応は、ドパミンD2受容体拮抗薬(★メトクロプラミド ドンペリドンがよく使用される。消化管運動促進+化学受容体抑制作用がある。
 
 抗がん剤による嘔気の場合、薬剤がCTZを刺激→消化管のEC細胞からセロトニン(5-HT)が分泌→迷走神経経由で嘔吐中枢を刺激
    という流れになる。この場合は、★5-HT3受容体拮抗薬(★グラニセトロン★オンダセトロン等)が使いやすい。
 
 末梢性嘔吐(胃腸炎、FD)などでは、反射性嘔吐を遮断するため、ブスコパン★ブチルスコポラミン 10~20mg/回で投与する。
 
★メトクロプラミド
p.o.★メトクロプラミド 5mg~10mg/回 1日3回毎食前
iv. ★プリンペラン(★メトクロプラミド)10mg  iv
 
p.o. 10mg/回 1日3回食前
座薬 60mg 1日1回
・メトクロプラミドよりは作用が強め、副作用が弱めと言われている
 
・腎排泄型。腎機能低下症あれば少量(50~100mg)より開始。
・QT延長作用あり、心室性頻拍などの不整脈を誘発することも。
→高齢者は50~100mg/日投与が適切